ザガーロとは

ザガーロ(一般名:デュタステリド)は、前立腺肥大症の治療目的に開発された薬なのですが、その作用機序として男性型脱毛症(AGA)の原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑制し、 その結果AGAの治療にも効果があると考えられることから、有効性や安全性を確認する試験を行い、日本では2015年9月に正式にAGA治療薬としてザガーロという名前で厚生労働省の承認されました。 国内で承認されているAGA治療薬であるプロぺシア(一般名:フィナステリド)よりもDHT抑制効果が強いということから、注目されています。

近年の研究でAGAの原因はDHTであることが分かってきました。DHTは体内でテストステロンより合成されます。合成経路には5α還元酵素Ⅰ型またはⅡ型を 利用する2経路があり、ザガーロは5α還元酵素I型およびII型を両者ともに阻害し、テストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を抑制して、男性型脱毛の進行を防ぎます。
プロぺシアはⅡ型の経路はブロックしますがⅠ型経路のDHT産生を止めることはできません。

ザガーロの効果

ザガーロ服用後、3ヶ月~6ヶ月ほどで毛髪の改善効果が出てくるとみられます。しかし、服用を中止すると効果は無くなりAGAが進行します。毛髪の改善効果はプロぺシアの1.5倍という研究報告もあります。

ザガーロの適応

ザガーロの適応は成人男性におけるAGA(男性型脱毛症)AGAのみです。したがって、女性の方、未成年の方、成人男性でも円形脱毛症の方など には適応はありません。

服用方法

通常、男性成人は1回1カプセル(主成分として0.5mg)を1日1回服用します。必ず指示された服用方法に従ってください。
カプセルの内容物は口腔咽頭粘膜を刺激することがあるので、カプセルをかんだり、開けたりせずに飲んでください。
医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。

服用時の注意点

妊婦、妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性はザガーロを服用しないでください。男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼす恐れがあります。
妊婦への輸血を防ぐためザガーロ服用中は献血をしないでください。
ザガーロ服用中は前立腺がん検診などで測定されるPSA値が低下します。検診を受ける際はザガーロを服用していることを 必ず医師にお伝えください。
以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。肝機能障害がある方は服用できません。
必ず医師と相談の上、服用してください。

副作用

主な副作用として、勃起不全、性欲減退、精液量減少、射精障害などが報告されています。
まれに食欲不振、全身倦怠感、皮膚や粘膜が黄色くなる下記のような症状があらわれ、肝機能障害、黄疸の初期症状である可能性があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。

院内処方

当院では院内処方のため、お会計と同時にお薬をお渡しします。 院外薬局に行く必要はありません。