シアリスとは

シアリスは米国イーライリリー社が開発し、日本では2007年9月に販売が開始された国内3番目のED治療薬(PDE5阻害薬)です。シルデナフィル(バイアグラ)と同系統です。

バイアグラ、レビトラに比べ半減期が長く、服用後36時間まで勃起機能改善効果が認められています。また、服用に際し食事の影響を受けません。飲む時間にそれほどこだわらず、長時間にわたり安定した効果が期待できます。世界100カ国で1,000万人以上の方に服用されており、フランスやスペインをはじめヨーロッパではバイアグラやレビトラを抜いてED治療薬の トップシェアになっているED治療薬です。

シアリスの効果

この薬は、勃起を助けるED治療薬です。陰茎の海綿体平滑筋の緊張をゆるめ血流をよくすることで、十分な勃起に導きます。シアリスは勃起に対して抑制的に作用する酵素(PDE5=ホスホジエステラーゼ タイプ5)の働きを阻害することで、勃起力を増し、勃起時間を延長させる効果があります。また、心理的要因による“心因性”のもの、神経や血管など体に問題のある“器質性”のもの、あるいは心因性と器質性の“混合型”のいずれにも有効です。服用後まもなく、性的刺激が加わることで効果が発現します。局所に作用しますので、性欲を亢進させる働きはありません。この薬を含め 同類薬による多くの臨床試験が国内外で行われています。症状にもよりますが、おおよそ70~90%くらいの割合で有効とされます。

シアリスの服用方法

1日1回、性行為の1時間前に服用してください。次回の服用は必ず24時間以上空けてください。(服用しただけでは勃起しません。あくまで性的刺激が ある場合に勃起に作用します。)

通常、成人は1日1回タダラフィルとして10mgを性行為の約1時間前に経口服用する。10mgの服用で十分な効果が得られず、忍容性が良好と判断された器質性又は混合型勃起不全患者に対しては、20mgに増量することができる。軽度又は中等度の肝障害のある患者では10mgを超えないこと。なお、いずれの場合も1日の服用は1回とし、服用間隔は24時間以上とすること。

中等度又は重度の腎障害のある患者では、5mgから開始し、服用間隔は24時間以上とすること。なお、中等度の腎障害のある患者では最高用量は10mgを超えないこととし、10mgを服用する場合には服用間隔を48時間以上とすること。重度の腎障害のある患者では5mgを超えないこと。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。

シアリスの効果発現・持続時間

シアリスを服用してから約1時間で効果が現れます。服用してから効果は30から36時間持続します。

服用時の注意点

シアリスはバイアグラやレビトラに比べ食事の影響はほとんどありません。従って食後に服用しても特に問題ありません。
大量にアルコールを摂取するとシアリスの効果が減弱しますので適量にしてください。
心臓病など持病のある人、心臓や血圧の薬など服用中の薬がある場合は必ず医師に伝えてください。

重い心臓病や脳卒中などがあり、性行為そのものが危険と判断される場合は使用できません。
性行為自体が心臓や脳血管に負担になるうえ、この薬の心血管系に及ぼす影響でさらに危険性が増大するためです。
重い心臓病や脳卒中、重い低血圧、管理されていない高血圧、重い肝臓病、目の網膜の病気(網膜色素変性症)の方は服用できません。

行為の約1時間前に飲んでください。食事の影響はありませんので、食後でも空腹時でもかまいません。効果はかなり長く続きます(36時間)
1日1回までとし、服用間隔を24時間以上あけるようにしましょう。
万一、勃起が4時間以上続くときは、直ちに受診してください。
また、急に視力が低下した場合には、服薬を中止し眼科専門医の診察を、急激な聴力低下または突発性難聴(耳鳴り、めまいを)があらわれた場合には、すみやかに耳鼻科専門医の診察を受けてください。

※服用後、一時的に視野がかすんだり、物の色が異常に見えることがあります。また、めまいを起こすこともありますので、車の運転や高所での危険作業には十分注意してください。

 

シアリスの副作用

副作用で多いのは、頭痛とほてりです。これらは血管を広げる作用によるものなので、時間とともに軽くなり自然に治ると思います。とくに心配ないでしょう。国内の治験データでは、頭痛を起こした人の割合は約13%、ほてり・潮紅が約9%でした。

そのほか、一過性の視覚異常が現れることがあります。「まぶしい」「青いめがねをしているよう」「青と緑の区別がつかない」といった異常な見え方がするようです。服用後しばらくの間、車の運転には十分注意してください。

重い副作用はまずありませんが、海外で「持続勃起症(プリアピズム)」がごく少数例ながら発症しているようです。また、この薬によるものかはっきりしませんが、著しい視力の低下をともなう非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の発現も報告されています。念のため注意してください。

※【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください。
硝酸薬との併用による急激な血圧低下
持続勃起症(プリアピズム)..4時間以上痛みを伴う勃起が続く(すぐ受診)、陰茎組織損傷、勃起機能の喪失
重い過敏症..発疹、じんま疹、全身発赤、顔や口・喉や舌の腫れ、咳き込む、ゼーゼー息苦しい。
重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
頭痛、ほてり、潮紅、鼻づまり、めまい、血圧の変動、動悸、頻脈、視覚異常、彩視症、光視症..まぶしい、かすむ、青くみえる

 

シアリスの使用期限

ED治療薬の大まかな使用期限はバイアグラが約4年、レビトラ、シアリスが約2年~2年半、ジェネリックバイアグラが約3年となっております。

 

シアリスの併用禁忌薬

シアリスにはいっしょに服用してはいけない薬があります。代表的なものは硝酸薬やNO製剤でこれらの薬とシアリスを同時に 服用すると血圧が過度に低下するなど危険な場合があります。したがってこれらの併用禁忌薬を服用している方には シアリスを処方できません。他院で薬を処方されている方はお薬手帳などを持参してください。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
狭心症や心不全の治療に使う硝酸薬、いわゆる「ニトロ」と呼ばれる薬と併用してはいけません。併用により急激に血圧が下がることがあり、非常に危険です。硝酸薬には飲み薬のほか、貼り薬(テープ)や口内スプレー、注射剤などさまざまなタイプがありますので注意が必要です。そのほか、α遮断薬に分類される排尿障害治療薬や降圧薬を飲んでいる場合は、血圧の変動に注意するなど慎重に用いる必要があります。 

飲み合わせの悪い薬..ニトログリセリン(ニトロペン、その他)、硝酸イソソルビド(ニトロール、その他)、ニコランジル(シグマート)、ニプラジロール(ハイパジールコーワ)、リオシグアト(アデムパス)。

飲み合わせに注意..α遮断薬(バソメット、ハルナール等)、シメチジン(タガメット)、エリスロマイシン(エリスロシン)、クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)、イトラコナゾール(イトリゾール)、テラプレビル(テラビック)、リトナビル(ノービア)、インジナビル(クリキシバン)、サキナビル(インビラーゼ)、リファンピシン(リファジン)、フェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)、カルバマゼピン(テグレトール)、フェノバルビタール(フェノバール)、デキサメタゾン(デカドロン)、降圧薬、グレープフルーツジュースなど。

院内処方

当院では院内処方のため、お会計と同時にお薬をお渡しします。 院外薬局に行く必要はありません。