髪の成長メカニズム

髪は、頭皮の表面にあらわれている毛幹部と頭皮内にある毛根部に大きく分かれ、発毛・育毛は毛根部で行われます。毛根部には毛包という筒状の器官があり、その一番下のくぼんだ部分を毛乳頭といいます。毛乳頭が毛細血管から栄養分などを取り入れ、すぐ上にある毛母細胞に成長を促すシグナルを出すことで、毛母細胞が増殖・分化し、髪がつくられるのです。

毛乳頭が取り込んだ栄養分によって毛母細胞が増殖・分化し、髪がつくられる。

毛周期(ヘアサイクル)

髪は1日に約0.35㎜、1ヵ月で約1㎝成長します。とはいえ、どこまでも伸び続けるわけでなく、男性では3〜5年、女性では4〜6年で生え変わり、健康な髪でも毎日50~100本が自然に抜け落ちています。通常は、自然に抜け落ちた髪と同じくらいの量が生えてくるため、総量に変化を感じることはありません。
この生え変わりのサイクルを毛周期(ヘアサイクル)と呼びます。毛周期には「成長期」「退行期」「休止期」があり、通常は一定の周期で発毛と脱毛を繰り返しています。しかし、なんらかの原因によってサイクルが乱れると、抜け落ちる量と生えてくる量のバランスが崩れ、薄毛が気になるようになるのです。

休止期

細胞分裂が止まり、髪の製造、伸長も完全にストップする。 その後にまた成長期がやってきて、このときに古い髪が抜ける。 一般的に14日前後で、毛髪全体の約10%。

退行期

毛母細胞の分裂が急激に衰える時期。この時期には髪の色を決定する色素細胞も活動を緩めている。一般的に14日前後で、毛髪全体の1%ほど。

成長期

毛細血管から取り入れた栄養をもとに、毛球部で毛が製造される時期。
毛母細胞が盛んに分裂を繰り返し、作られた髪は頭皮表面に向かって押し上げられていく。一般的に2~6年で、毛髪全体の約90%を占める。